精神医学的表現は分かりにくいですよね、かみ砕いた表現でご不明点につきお伝えします。
①持続性気分障害と双極性障害の違い
→持続性気分障害は気分高揚(ハイテンション)や気分の落ち込み等、心の何らかの不調が数年に渡って持続し、その不調はうつ病や双極性障害の診断基準に該当するほど強くはないが、不調のせいで確かに生活に支障が出ている状態を指します。双極性障害はうつ病と診断できるほどの抑うつ状態、躁病または軽躁病と診断できるほどの躁症状を認める気分変動のことを指し、持続期間はうつ状態は2週間以上、躁状態は数日~2週間程度で、うつ状態の期間が長くなります。
②情緒不安定性パーソナリティ障害と境界性パーソナリティ障害の違い
→これは一緒です。厳密には参考にする診断基準によって表記が変わるだけです。最近では境界性パーソナリティ障害はボーダーなどと表現され、非医療者の中で安易に性格特性に対して用いられることがありまる。これにより必要以上にネガティブな印象を受けてしまう可能性が懸念されるため、情緒不安定性パーソナリティ障害と表記することも増えてきています。
③持続性とは?
→持続性=長年、一般的には2年以上にわたり症状が続いていることを意味します
④情緒不安定性とは?
→気分が安定しておらず、些細な対人関係のイベントで容易に気分が晴れることもあればどん底に落ちることもあるという特性を指します。背景には判断基準が「善か悪」、「1か0」、「好きか嫌い」といった極端な2択になっていること、常に心に空虚感があること、他人に見捨てられることを酷く恐れていることがあります。それまで大好きだった人に見捨てられると、親の仇のように嫌い、自暴自棄になることも多々あります。