前縦隔腫瘍の切除手術後には、合併症や後遺症のリスクがあります

年齢79才です。7月末のCT検査で胸腺腫の疑いと診断され、8月末にCT、MRI、血液検査、心電図、心エコ、肺機能検査などの精密検査を受けました。その結果、担当医から次の説明を受けました。

前縦隔部位に25mm大の腫瘍を認めます。胸腺腫が疑われますが、未診断です。充実性の腫瘍であり、一般的には手術の適用があると判断されます。手術以外の選択肢としては、経過観察で増大傾向がないかを判断する方法となります。悪性腫瘍の場合、病状が進行するリスクがある点がデメリットになります。前縦隔腫瘍摘出術実施の方針です。腫瘍の大きさが画像上では25mm程度のため、胸腔鏡下手術が可能と考えます。状況に応じて開胸下手術に変更する場合もあります。

相談事項

現状は無症状です。79才という年齢(体力)と手術後に起こりうる合併症、後遺症を考えると経過観察にしたいと思いますが、問題点を教えてください。呼吸器内科、外科の担当医は手術を推奨しています。(最終判断は患者本人としています)

手術をした場合の手術後に起こりうる合併症、後遺症の頻度・割合(他の病気の手術に比べて)を教えてください。合併症、後遺症の心配が少ない場合、体力のあるうちに手術も考えています。

79才という年齢、無症状、CT画像での充実性の腫瘍を考慮して、経過観察または手術のどちらを選択したら良いか教えてください。

写真が見えません検索 縦隔腫瘍手術後の体調不良

縦隔腫瘍はたとえ病理学的には良性と思われても臨床的には悪性と考えられていますので、79歳でも全身状態がある程度良ければ(心機能、呼吸機能、肝腎機能など)手術をお勧めします。大きさ1cm以下くらいであれば経過観察することもありますが、2.5cmなら通常は手術だと思います。私の家族でもそうします。アプローチは鏡視下とのことですが、左胸腔からを考えているのでしょうか?傷の大きさは鏡視下の方が小さいし目立ちませんが、胸骨縦切開の方が痛みは少ないと思います。術後の合併症といっても特に特徴的なものはありません。抗アセチルコリン受容体抗体は測定していますでしょうか?これが陽性なら胸骨縦切開で拡大胸腺摘除を行った方が良いと思っています。陽性の場合、術前無症状でも術後に発症することがあります。また、切除してみたら一部が新純正に発育していたり、一部に癌がみられることもあります。これらは手術しなければかなり進行するまでわからないと思います。手術にはこういったことを切除標本ではっきりさせるという意味もあります。

例えば半年前あるいは1年前には目立たなかった腫瘤が出現し増大してきたというのであれば、79才であっても手術を推奨します。
増大傾向が確認できない場合、79才という年齢を考慮し、まずは経過追跡を提案します。追跡中に明らかな増大があれば腹をくくって手術ということでいいのではないかと。

7月末にCT検査をしたのは、CTとしては初めてだったのでしょうか?それとも、レントゲン検査で初めて怪しい影が初めて見つかったので、CTを撮ったのでしょうか?
(1)上記の質問にも関連しますが、まずは、経過観察でよいと思います
(2)胸腺腫摘出だけであれば、手術後に起こりうる合併症は多くはないと思いますが、重要な血管や臓器のある場所ですから、起きた場合は大変です。
(3)年齢を考慮し、まずは、経過観察をお勧めします。 

本内容は病気の治療の根拠として使用できませんので、その点を十分に理解し、医療機関を受診するかどうかはご自身で判断し、リスクは自己負担でお願いします。

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